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岩原裕二作品の魅力

久々の投稿になります。

 

クーデルカ/岩原裕二(全3巻)を中古で購入しました。(新品ではさすがに見つけられませんでした!)

クーデルカ」は同名ゲームの約1年後の後日談として描かれた作品です。ゴシックホラーな世界観で、原作ゲームからキャラクターデザインを岩原裕二先生が担当されていました。なお、ゲームでの出来事から15年後(1913年)の別大陸の世界を描いているのが『シャドウハーツ』です。

 岩原裕二先生の作品は「いばらの王」にハマってから「Darker than Black」「地球美紗樹」「Dimension W」(連載中)と読んできました。「クーデルカ」においても”岩原節”が冴えています。この方のスタイルは13年前にすでに確立されていたようです。今回は岩原作品の魅力について書いてみたいと思います。

 

 岩原作品の魅力は、映画のワンシーンを持ってきたかのような゛しっくりくる感じ゛です。①作りこまれた世界観に支えられたキャラクターの役割と行動、に加えて、②シーンごとのリアリティが持ち味だと感じます。

 

 ①は、物語構成に無駄がないことにより、キャラクターにブレが生じていません。キャラクターが決まった役割を持ち、必要十分なキャラ設定がなされることによって、納得感のある物語になっています。また、超能力はあれど、極端な性格のキャラクターはおらず、人間らしい言動に共感することができます。

 ②は、小道具の挙動までしっかり描いていることによってリアリティを増強しています。「キャラクターが机にぶつかった拍子に落ちた本」など、ピンとが合っていないものやコマ外のモノの挙動がしっかり描かれているため、実際にそこに時間的・空間的な広がりを持った、物理現象の働く世界があることを感じることができます。

 まとめると、読み手にとって読みやすく納得感・リアリティのある物語であることによって、読み手が作品世界に没頭できる、ことが魅力

 

 私は、特殊/特別な人物ばかりが出てくるヒーローもの的な作品はどちらかと言うと苦手で、人間臭い箱庭群像劇が好きです。同じ嗜好の方であれば、岩原作品は必ずお気に召すと思います。是非一読下さい。

それでは。