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クロノクルセイド / 森山大輔 (全8巻)

1999年から2004年までコミックドラゴン/ドラゴンエイジで連載していた退魔系漫画。

舞台は第一次大戦前後のアメリカ。悪魔に対抗するための組織、マグダラ教会に所属するシスター・ロゼットが悪魔であるクロノと契約し、力の対価として寿命を削りながら弟を探すというストーリー。
私の青春の一冊、かつ、今でも最も好きな漫画。
「お勧めの漫画は?」と聞かれたら真っ先に挙げる漫画です。



アメリカは大戦での貿易の利益によってゴールドラッシュ状態で浮かれている。しかし、その裏では何者かが暗躍している...そんな薄暗い雰囲気感。その中で各々の信念を持ったキャラクター達が道を照らし輪郭を確かめながら進んでいく。




・小さな物語/大きな物語と二つのテーマ

クロノクルセイドには、二つ大きなテーマがあります。
一つはロゼットとクロノの契約とその内容と結びついた「限られた時間」、もう一つは悪魔サイドの目指す「システムの超越」です。

物語は基本的にこの1つ目のテーマで動いていきますが、主要キャラクターごとにサブテーマがあり、主幹と並行して語られていきます。
そして、中盤まで一見別々に動いていた小さな物語同士の関係が徐々に見えるようになっていき、終盤ではこれまでの人間関係やサブテーマ、個々のイベントの総体として先述の二つのテーマが持ち上がってきます。
最終巻の収束、加速する感覚が素晴らしい!
そのドラスティックな展開に高校生の自分はやられましたw




・魅力

キャラクター、背景ともに安定した作画とシーンにしっかりくる台詞。
心情の描写と緊張感の表現。
話の構成と複線の回収。

とにかく安定感抜群です。

特に、私にとって話の構成に無駄が無いことがクロノクルセイドの“作品”としての価値を高めていて、日常系はジャ○プの一部の人気漫画のようなグダグダ感によるストレスを感じない点かと思います。
また、無駄が無いことで高い密度による満足感、よく練られた構成が生きることに繋がっています。
また、個々のキャラクターもしっかり描かれていて説得力がある。


最も印象的だったのは悪魔側の大将、アイオーンの台詞



「神も悪魔も
 誰かが考えた人を社会(システム)に縛り付ける方便だ
 そんなもんいやしねえよ」          (本編から引用)



人間ではなく悪魔の側が発したこの台詞には衝撃を受けました。
今自分が社会システムを扱う研究科にいることには何かの因果を感じてしまいますw


とくかくお勧めの作品!必読!!!